さみしがりやのホットミルク
「あのさ、俺たち、若い男と女だろ?」

「……知ってるよ、」

「……そう。なら──……」

「っひゃ、」



すばやく彼女の背中とひざ裏に手を伸ばし、その小さなからだを持ち上げる。

そして多少乱暴に、ベッドの上に落とした。

仰向けになった佳柄のからだにまたがって、その両手首を、痛いくらいにおさえつける。



「……こーいうコトされるかもしれないって、もちろんわかってて言ってるんだよな?」

「……ッ、」



冷たく見下ろした先の彼女の瞳が、少しだけ、怯えたように揺れた。

だけどすぐに、きゅっとあごを引いて。

まっすぐに、俺を見上げてくる。



「……いいよ、」

「え」

「いいよ。……オミくん、なら」

「……ッ、」



──ああ、もう。

なんでこれで、ビビんねぇんだよ。

なんでビビって、嫌だって、言ってくれねぇんだよ。

拒否してくれたら、俺だって、ここから離れやすくなるのに。

……この子を、『一期一会の出会いだった』って、諦めることができるのに。
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