さみしがりやのホットミルク
「ふい~、さっぱりさっぱり」

「………」



肩にはタオルをかけ、上気した頬でそんなことを言いながら居間に来た佳柄は、まっすぐ冷蔵庫の前へと向かう。

そうして取り出したウーロン茶をコップに注いでぐびぐび飲んでいる様子を横目に、俺は両手で頭を抱えてしまいたくなっていた。


風呂上りの佳柄は、まあ当たり前のように部屋着に着替えている。

ただその部屋着というのが、花柄模様のパイル地のショーパン+揃いの半袖パーカー、という、そこそこ露出度高めなもので。

……一応、歳の近い男が同じ部屋にいるっていうのに……危機感ないのか? この天然娘は。



「あっ、ドライヤー使い終わった?」

「……おまえさあ……」

「んー?」

「……いや、なんでもない」



思わず口を開きかけて、やっぱりやめた。

……まあ、いくら無防備すぎる格好だからって、俺が口出すようなことでもないだろうし。


ベッドを背にして座る俺のそばまで来た佳柄は、ドライヤーから伸びたプラグをコンセントに差した。

それからふと、こちらに目を向ける。
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