さみしがりやのホットミルク
顔を洗って洗面所から出てくると、テーブルの上には、すでに朝食が用意されていた。
焼きたてのトーストと、ベーコンエッグ。
ふとんをたたんで寄せてできたスペースに座ったそのタイミングで、マグカップが目の前に置かれた。
ふわりと香ったそれは、昨日も嗅いだ覚えがあるもので。
「……カラメルホットミルク……」
「オミくん、それ気に入ってたみたいだったから。お茶も飲む?」
「いや、いい」
首を振った俺に「そ?」と軽く首を傾けて、佳柄も目の前に腰をおろした。
いただきます、と言ってから、まずはマグカップに手を伸ばす。
「──、」
こくん、とひとくち飲み込むと、起き抜けのからだに染み渡るやさしい甘さ。
思わず肩の力を抜いた俺を見て、ふふっと、彼女が突然小さく笑った。
「あは、ごめんごめん。あたしも昔よく、お母さんにカラメルホットミルク作ってもらってたなあって」
「……作り方、母親に教わったのか?」
「うん、そう。これだけは、作り方教えてもらってたんだあ」
言いながら彼女は、マグカップを両手で包む。
焼きたてのトーストと、ベーコンエッグ。
ふとんをたたんで寄せてできたスペースに座ったそのタイミングで、マグカップが目の前に置かれた。
ふわりと香ったそれは、昨日も嗅いだ覚えがあるもので。
「……カラメルホットミルク……」
「オミくん、それ気に入ってたみたいだったから。お茶も飲む?」
「いや、いい」
首を振った俺に「そ?」と軽く首を傾けて、佳柄も目の前に腰をおろした。
いただきます、と言ってから、まずはマグカップに手を伸ばす。
「──、」
こくん、とひとくち飲み込むと、起き抜けのからだに染み渡るやさしい甘さ。
思わず肩の力を抜いた俺を見て、ふふっと、彼女が突然小さく笑った。
「あは、ごめんごめん。あたしも昔よく、お母さんにカラメルホットミルク作ってもらってたなあって」
「……作り方、母親に教わったのか?」
「うん、そう。これだけは、作り方教えてもらってたんだあ」
言いながら彼女は、マグカップを両手で包む。