さみしがりやのホットミルク
「で、これでどうして、『彼氏できた?』になるの?」

「…………」



あたしの問いに、ふたりが何とも言えない表情で黙り込む。

あれ? あたし、なんかマズイこと言った?


……あ、そういえば。



「これってあれだね、はすみんがこないだ鎖骨につけてて必死になって隠してたやつに似てるよね!」

「かかかか佳柄……!」



ひらめいた!と思わず嬉々として言ったら、はすみんは真っ赤な顔であたしの口をふさごうと身を乗り出してきた。

その右隣りではさよちぃが、必死に笑いを堪えている。


ははーん、はすみんがこういう反応をするってことは、十中八九彼氏の辻っち絡みだな。

付き合い始めてもう1年ほど経つというのに、はすみんはいつまでもジュンジョーなままだ。うんうん、かわいいなあ。



「あのね、佳柄。それってたぶん、私たちの予想が正しければ……世に言う『キスマーク』だと思うのよ」

「ええ?」



ようやく笑いを収めたらしいさよちぃが、ないしょ話をするようにトーンを抑えて話す。

あたしもつられて声を落としながら、思わず首をかしげた。
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