さみしがりやのホットミルク
「キ……って、あの、くちびるの形したイラストとかのことじゃないの?」

「……佳柄もなかなか純情よねぇ……まおのことからかえないよ?」

「沙頼ひどい……」

「いーい佳柄、キスマークっていうのは、……、」



思いっきりテーブルの向こうから身を乗り出して、さよちぃがあたしの耳元で言葉の続きをささやく。

その内容に、思わず、顔が熱くなってしまった。



「そ、そうだったんだ……」

「そうなの。つまりまおも、辻くんからの溢れんばかりの愛が形となってキスマークをつけられてるわけで」

「あうう沙頼もうやめてえええ」



さよちぃの言葉に悶絶したはすみんが、両手で顔を覆いながら耳まで赤くしてテーブルに突っ伏してしまった。

それを横目で確認し(がっつり笑い堪えてました)、さよちぃがまた「で、」とあたしに話題を戻す。



「だから佳柄にも、そういう相手ができたのかなって話」

「で、できてないよう」



楽しげなさよちぃの言葉に、ぶんぶん、あたしは首を横に振った。

そんな恐れ多い相手、あたしにはいません!
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