さみしがりやのホットミルク
「でも、見れば見るほど、それってキスマークだと思うんだけどなあ」

「ううう……」



さよちぃの視線にたじたじして、思わず手のひらでその赤い痣を隠す。

するとさよちぃが、あたしの反応を見て今度は質問を変えてきた。



「じゃあさ……佳柄にそういうことできるような相手、心当たりないの?」

「ええ……」

「だってさ、首にくちびるくっつけんのよ? よっぽど仲良いとかじゃないと、そこまで近付けないと思うんだけど」

「……うーん……」



ていうか、キスマークつけられといて気付かないって相当鈍感よね。

けらけら笑うさよちぃにくちびるをとがらせていると、不意に、あたしの頭の中にある人物の顔が思い浮かんだ。



「(……ううん、)」



そんなはず、ないよね。

だってあたし、そんなにくっついた覚えないし。

それに、彼も──オミくんも、そんなこと、あたしなんかにしないだろうし。
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