さみしがりやのホットミルク
「(……あ、)」



そしてふと思い出したのは、昨夜の記憶。

あたしの頬を包む大きな手と、オミくんのやけに真剣な顔と、熱っぽい瞳。

反射的に、頬が熱くなってしまう。



《わ、るい。驚かせた》

《ふあっ、え、えっと。だい、じょうぶです》



……き、昨日の夜の急接近には、び、びっくりしちゃったなあ。

オミくんって、あんな激しいケンカしちゃうような子だけど、実はキレーな顔してるんだよね。

あんなふうに触れられて、見つめられちゃったら。どきどき、しちゃうよ。


……それに、オミくん、は──。



「えっ、佳柄、なんか心当たりある人いるの?」

「へ、」



あたしの微妙な表情の変化を感じ取ったのか、さよちぃが驚いたような顔で、こちらを見ていた。

う……さよちぃって案外、鋭いとこあるんだよなあ。

ようやく復活したらしいはすみんも、興味津々といった様子で、身を乗り出してくる。
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