さみしがりやのホットミルク
「……うぅ……」



自分で勝手に考えたことなのに、ぼっと、顔が熱くなる。

あたしはバシャバシャとタオルを水で濡らし、固くしぼったそれをベッドに腰かけながら目もとにあてた。



「………」



オミくん、は。あたしの、すきなひと。

もともと、大事なひとではあったけど。さよちぃとはすみんとの会話で、それだけじゃなく恋してるってことが、わかって。


……オミくんは、あたしのこと、どう思ってるのかな。

嫌われてはない、と、思う。だって彼は、ここに居てくれている。あたしの話を聞いて、少しだけ、笑ってくれる。

おいしいって、あたしが作った料理、食べてくれるもん。


考えながら、あたしは、首筋についた赤い痕を指先でなぞる。

……この、痕を。

つけたのが、オミくんだったなら、いいのに。

オミくんだったら、全然、嫌じゃないのに。


だけど今朝も、オミくんは、いつも通りだった。

いつも通り、ちょっと寝ぐせがついた頭で、おはよって言って。

いつも通り、あたしが作った朝ごはんを、食べてくれて。

いつも、通り──……。
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