さみしがりやのホットミルク
「ん、よし、っと!」
そんな掛け声とともに、最後の絆創膏が、俺のひたいの端に貼られた。
右腕、両足、顔と、消毒と絆創膏をくり返して。結局、佳柄がストックしていた絆創膏はほとんど使い果たした。
ちなみに、頬の傷に貼られそうになった絆創膏は、全力で拒否して消毒だけに留めた。なんか、やんちゃっぽくてガキみたいだし。
「……さんきゅ」
ぽそり。ここに来て、初めて俺は、小さくお礼の言葉を口にした。
本当は、もっと早く、言えればよかったんだけど。
河川敷で彼女に会ってからの、この突然の展開に戸惑ってしまって、それから照れくさくて、結局ここまで言えなかったのだ。
うつむきがちに視線を逸らしていた俺に、一瞬、きょとんとした後。
それから彼女は、ふわりと笑った。
「いーえ」
「………」
なんだか気恥ずかしくて、俺はやはり視線を合わせないまま、またホットミルクを口にした。
まだほんのりあたたかいそれは、甘くて、じんわりとからっぽの心にしみていくようで。
……なんだか、まるで──……。
そんな掛け声とともに、最後の絆創膏が、俺のひたいの端に貼られた。
右腕、両足、顔と、消毒と絆創膏をくり返して。結局、佳柄がストックしていた絆創膏はほとんど使い果たした。
ちなみに、頬の傷に貼られそうになった絆創膏は、全力で拒否して消毒だけに留めた。なんか、やんちゃっぽくてガキみたいだし。
「……さんきゅ」
ぽそり。ここに来て、初めて俺は、小さくお礼の言葉を口にした。
本当は、もっと早く、言えればよかったんだけど。
河川敷で彼女に会ってからの、この突然の展開に戸惑ってしまって、それから照れくさくて、結局ここまで言えなかったのだ。
うつむきがちに視線を逸らしていた俺に、一瞬、きょとんとした後。
それから彼女は、ふわりと笑った。
「いーえ」
「………」
なんだか気恥ずかしくて、俺はやはり視線を合わせないまま、またホットミルクを口にした。
まだほんのりあたたかいそれは、甘くて、じんわりとからっぽの心にしみていくようで。
……なんだか、まるで──……。