空を舞う桜
「なぁ、美和さ。なんで喧嘩してた?」
喧嘩…。
あ、あたし喧嘩してたんだ。
自分にイライラして倉庫飛び出しちゃって、たくさん人を殴った。
「…記憶がない自分が、嫌でつらくて…」
「そうか。でも無駄な喧嘩はすんなよ?喧嘩は守るためにするもんだからよ」
「…うん。」
守るために…かぁ。
そもそも自分が喧嘩できるなんて思わなかったな。
それも結構強いみたいだし。
「あ、飛龍の奴等」
思い出したかのように朝陽が呟いた。
「そ、そうだった…帰りづらいなぁ」
いきなり総長倒して下っ端もほとんど倒しちゃって、倉庫飛び出されちゃったらどうしようもないよね…。
「あ、ハルででおいでよー」
突然、樹も思い出したかのように言った。
「あー、やっぱバレてた。」
「バレバレにきまってんだろ!」
と大河が突っ込む。
だって突っ込みたくなるのもわかる。
ハル全然気配とかけしてなかったし。