空を舞う桜


優希を西宮に転校させることを理事長のコウさんに伝えるため電話をかける。



コウさんは、俺らに対して怒ってはいない。



プルルルル…ガチャ



"朝陽か?どうした"



「明日、優希を西宮に転校させたいんですが…」



"...なぜだ?お前ら全員北高だろ?"



北高、それは美和が転校する前にいたところであり俺らの学校。



「はい。美和がそちらにいるからです」



反対されるかもしれない、だけど正直に話す。



"はやかったな、気づくの"



「まぁそうですね。気づいたのも全て優希ですよ。最近、美和が飛龍の姫になったそうじゃないですか。飛龍の翔って奴優希の友達なんですよ」



"…そうだったのか。だが優希はダメだ。違う奴にしろ"



…やっぱり。



「では、幹部補佐のハルでいいですか?」



"あぁ。…春人と貴人は美和をお前らに会わせたがらない。わかるよな?"



「はい、わかってます。大切な妹をまた傷つくと思うと…ですよね。でも俺らには美和が必要なんです」



"あぁ、そうだな。でも俺は何もしない。俺がするのはハルを転校させる件なついてだけだ"



「はい、ありがとうございます。それだけで充分ですよ。」



"そうか。じゃあ仕事があるから"



それだけ言って電話は切れた。


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