小悪魔恋愛

「やっべー！
胸キュンするわあ！」


「…バカか」


「俺、萌ちゃん欲しい！」


そう言いながら、大和はまた愛内を見た。
他の女なら、大和が少し優しくしたら手に入るだろう。

甘い言葉を、耳元で囁くだけで、簡単に股を開くだろう。
でもきっと、あいつは違う。


「バーカ。
あいつはお前の手におえねぇよ」


「じゃあ翔は？」


「…は？」


一瞬、頭が真っ白になった。
俺、はー…。


「あんな奴、どーでもいいよ。
あいつ、俺は嫌いだ」


「えーっ！
嘘だ！」


「ってか、女なら余る程居るから。
あんな高嶺の花は要らねぇよ」


そう言って、俺は二人を見た。

美紗と、あいつ。
正反対の、二人をー…。


「なーんだ。
てっきり好きだと思ってたし」


「ぶはっ！
…なわけ、ねぇだろ？」


さすが、大和。
いい勘、してんじゃん。

さっき、少し揺れたけど。
もう、あいつなんか興味ねぇよ。