世界は滅びるよ【短編】
「この世界には、人間が溢れすぎてる。」
少年はブロック玩具に目を落としながら呟く。
「世界は、滅びるよ。」
少年の言葉を聞いたお父さんは、煙草の吸い殻を地面に落とし、踏みにじりながら反論した。
『そんなの、遠い未来の話だろ。』
どこにでも車で行くお母さんが言った。
『省エネやエコ活動してるんだから、大丈夫よ!』
すぐにエアコンをつけるお姉ちゃんが言った。
『関係無いし。』
ポイ捨てするお兄ちゃんが言った。
『俺らが死ぬまでは大丈夫だろ。
後のことは次の世代に任せるよ。』