鬼上司?と嘘恋から始めるスイートラブ
ふと思い出した。高校時代、好きな人と自転車の二人乗りをしたいななんて思っていたこと。結局、そのときは叶わなかった。でもまさかそれが大人になってこんな風に叶うなんて思わなかった。
しかも好きな人はスーツ姿。なかなか経験できないことかもしれない。だからちょっとだけ浸って素直になりたくなる。
「・・・今日はありがとうございました。課長が助けてくれて嬉しかったです・・・カッコ、よかったです」
向かい風に逆らいながらペダルを漕ぐ課長。きっと私の声も風の音にかき消されて聞こえてないはず。それでも言いたかった。本当にカッコよかったし、もっと好きになったから。
「・・・あれは課長として当然のことをしただけ。今からはオフの俺のかっこいいところ見せてやる」
少し耳を赤くした課長はしっかり捕まってろよと下り坂を駆け下りる。思わずきゃーっと叫ばずにいられなくてスーツだけじゃなくキュッと課長の腰に手を回した。
「よしっ、着いた」
キキーッとブレーキを止めたのは小さなボクシングジムと古い看板が掲げられた場所。さっぱりわからずに戸惑っていると課長が引き戸を開けた。
「おばちゃーん、来たよ。着替えさせてもらうからな。佐伯はちょっと待ってて」
しかも好きな人はスーツ姿。なかなか経験できないことかもしれない。だからちょっとだけ浸って素直になりたくなる。
「・・・今日はありがとうございました。課長が助けてくれて嬉しかったです・・・カッコ、よかったです」
向かい風に逆らいながらペダルを漕ぐ課長。きっと私の声も風の音にかき消されて聞こえてないはず。それでも言いたかった。本当にカッコよかったし、もっと好きになったから。
「・・・あれは課長として当然のことをしただけ。今からはオフの俺のかっこいいところ見せてやる」
少し耳を赤くした課長はしっかり捕まってろよと下り坂を駆け下りる。思わずきゃーっと叫ばずにいられなくてスーツだけじゃなくキュッと課長の腰に手を回した。
「よしっ、着いた」
キキーッとブレーキを止めたのは小さなボクシングジムと古い看板が掲げられた場所。さっぱりわからずに戸惑っていると課長が引き戸を開けた。
「おばちゃーん、来たよ。着替えさせてもらうからな。佐伯はちょっと待ってて」