鬼上司?と嘘恋から始めるスイートラブ
中の人に聞こえるように大声を張り上げてスタスタと歩いていく課長。一人残された私は、キョロキョロと見渡した。
確かにボクシングジムだったという名残はあるものの、どう考えても今はやっていないように思える。ボロボロのサンドバックが小さなリング上にあるだけ。
昔の選手らしい人のポスターが貼ってあったり随分昔の試合のお知らせが貼ってあったりはするけれど課長は今からボクシングでもするのだろうか。
課長が上がって行った三段ほどの石階段。長めの通路を歩いた先には何があるのだろう?それにしてもさっきからとても美味しい匂いが漂ってる。このボクシングジムにはまるで不似合いな。
お昼に美味しいランチを食べたと言うのに私にはたまらない刺激で思わず嗅いでしまう。
「お待たせ」
すっかり香しい香りに目を瞑り夢中になっていたところを声を掛けられて我に返った。目の前の課長はスーツ姿から上下黒のジャージ姿になっていて両手にボクシングのグローブを嵌めている。
目をパチクリとかさせて驚く私に、ニコッと笑った課長は慣れたようにヒョイとリング上に上がった。
「俺の秘密。会社帰りはここで『課長』のストレスを発散してオフモードに戻して家に帰ること」
確かにボクシングジムだったという名残はあるものの、どう考えても今はやっていないように思える。ボロボロのサンドバックが小さなリング上にあるだけ。
昔の選手らしい人のポスターが貼ってあったり随分昔の試合のお知らせが貼ってあったりはするけれど課長は今からボクシングでもするのだろうか。
課長が上がって行った三段ほどの石階段。長めの通路を歩いた先には何があるのだろう?それにしてもさっきからとても美味しい匂いが漂ってる。このボクシングジムにはまるで不似合いな。
お昼に美味しいランチを食べたと言うのに私にはたまらない刺激で思わず嗅いでしまう。
「お待たせ」
すっかり香しい香りに目を瞑り夢中になっていたところを声を掛けられて我に返った。目の前の課長はスーツ姿から上下黒のジャージ姿になっていて両手にボクシングのグローブを嵌めている。
目をパチクリとかさせて驚く私に、ニコッと笑った課長は慣れたようにヒョイとリング上に上がった。
「俺の秘密。会社帰りはここで『課長』のストレスを発散してオフモードに戻して家に帰ること」