鬼上司?と嘘恋から始めるスイートラブ
全種類のケーキをお皿に乗せて更にはパンナコッタやプリンなんかも取ってきたあたしにさすがに携帯から目を離して驚いた表情の課長。


確かに一人で食べるのは無理だけど二人で食べるなら問題なし。どうせ課長は取りに行くの恥ずかしくて行かないつもりだったに違いない。


だってちょっとホッとしてるから。



「いただきまーす。美味しい!!ほらっ、食べてくださいよ。美味しいですよ」



ショートケーキを口にする。うん、甘すぎない生クリームでいくらでも食べれそう。スポンジ生地もパサパサしてなくてふわふわで美味しい。



思わず頬に手を当てる。ほっぺた落ちそう。そんなあたしの姿に感化された課長もお皿に手を伸ばす。


やっぱり一番はチョコレートケーキなんだ。



「・・・うまっ、おい、佐伯これ食ってみろよ。かなり美味い」



一口大に切られたケーキをフォークに刺して目の前に差し出される。こ、これって間接キスになるよね?



躊躇いもなくニコニコとあたしを見つめる課長に断る術もなく、そのケーキを口に入れる。
< 146 / 266 >

この作品をシェア

pagetop