鬼上司?と嘘恋から始めるスイートラブ
「佐伯、はっきりと言うが、お前のミスは目に余るものがある。だからしばらくお前には別部署に行ってもらうことになった」




出勤と同時に課長に手招きで呼び出される。会議室まで行くと部長もいて課長はパイプ椅子にあたしを促すと淡々とそう説明した。


真っ白になった。ああ、あたしは完全にこの人に見切られたんだって。確かにあたしはここ最近、大きな数字のミスはなかったけれどケアレスミスが多くて仕事に集中できていなかった。




課長はやっぱりすごいな。オンとオフがしっかり使い分けられるんだもん。



あたしはダメだ。公私混同しちゃう。今だって昨日頑張る、逃げてばかりじゃダメだって琴美との会話で自分を奮い立たせようとしたのにもう下を向いて課長の姿を見られない。



涙零れ落ちそう。あたしが逃げたから課長はあたしを見切ったんだ。
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