鬼上司?と嘘恋から始めるスイートラブ
「はーい。オムライスとコーンスープ。召し上がれ」

テーブルの上に置かれたホカホカのオムライスとコーンスープ。涎が出そうなくらい美味しそう。


あれ?そういえば課長の姿がない。さっきまでいたのに、部屋に行っちゃったのかな。



「ねえ、美晴ちゃん。味どう?」



いただきますと手を合わせ、スプーンでオムライスを掬い、口に運ぶ。モグモグと口を動かす。焦げてる。


それにご飯も団子みたい。それにケチャップの味があまりしない。そんなこと言えないけど。



「・・・お、お、美味しいです」



あたしの向かいに腰を下ろした冴子さんがその言葉に笑う。あれ?あたしわかりやすかった?


失礼すぎる。本当に美味しいですよと無理やりスプーンを動かし、口に入れた。



「それね、絶対に言うなって言われたんだけど悠貴が作ったの。マズイでしょ?あの子料理なんてしたの初めてよ。美味しいはずがない」




えっ?課長が?課長があたしのためにこれ作ってくれたの?聞かされた瞬間、口の中のオムライスを噛みしめる。


本当、料理したことないのバレバレ。だけどそれが手伝ってもらわなかったってことだからマズイけどすごく美味しい。



嬉しい。止めかけた手を走らせる。お腹いっぱいになったとしても絶対に完食するんだ。
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