鬼上司?と嘘恋から始めるスイートラブ
静佳さんの本家の人がどうしても許せない。だってその人が口を挟まなければ二人は幸せになれたんだ。あたしが課長を好きになることもなかった。


どうしてそんな偏見が根強く残ってるんだろう。あたしだって片親だ。それでも人に恥じないようにお母さんが亡くなってからはお父さんがここまで育ててくれた。



きっとあたしが聞いた以上に静佳さんは苦しんで泣いて辛かった。




「・・・今でも悠貴さんが好きですか?」



「ええ、好きです。あれから3年の月日が過ぎたけど悠貴のことは忘れたことがない」



やっぱり。そう、なんだ。静佳さんも課長のことが好きなんだ。よしっ、それなら二人のためにあたしが身を引こう。そう・・・思っていたのに。




「・・・ごめんなさい。静佳さんの気持ちすごくわかりました。伝わってきました。でも、でも、ごめんなさい。課長のこと、どうしても諦められない。あの人が好きで好きでたまらないんです。あなたの気持ちを聞けば答えが見出せると思いました。


でも、気持ちは何一つ揺るがなかった。たとえ、二人が今でも思いあっていたとしてもあたしはただの邪魔者だとしてもこの思いは止められない。ライバルでごめんなさい!!」
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