鬼上司?と嘘恋から始めるスイートラブ
都合がいいように信号が赤になり、車が停まる。あたしの発言に顔を向ける課長。
そうだ、課長って呼ぶなっていう割に課長だってあたしのこと佐伯って呼ぶ。あたしだけ名前呼びなんておかしいよ。
あたしだって名前で呼んでもらいたい。
「・・・佐伯は佐伯だろ」
信号が変わりまた車を走らせる課長の耳は少しだけ赤い。横顔の頬も赤い。
結局、なんだか気恥ずかしくて課長もあたしもショッピングセンターに着くまで口を開かなかった。
「おばちゃん来ていいって。ご飯用意して待ってるってさ」
ショッピングセンターに着いてからもなんだか気恥ずかしいまま。おばちゃんに電話してくるという課長を待ってる間、あたしは化粧品売り場で口紅を見ていた。
ポンと肩を叩かれ、振り向くと口紅買うの?と課長が尋ねてくる。課長ならあたしの口紅選んでくれるかな?
「あの、どの色がいいと思います?」
「俺、男だからわかんないって。でもさ、佐伯が決めた色なら似合うと思うよ」
だったらこの真っ赤にしますなんて一本のボルドーの口紅を手に取り軽く冗談を言った。そうじゃなきゃこの真っ赤になった顔がバレる。
課長はこうやってあたしをまた罠にかけるんだ。直接的な言葉より響いてくる魔法の言葉で。
そうだ、課長って呼ぶなっていう割に課長だってあたしのこと佐伯って呼ぶ。あたしだけ名前呼びなんておかしいよ。
あたしだって名前で呼んでもらいたい。
「・・・佐伯は佐伯だろ」
信号が変わりまた車を走らせる課長の耳は少しだけ赤い。横顔の頬も赤い。
結局、なんだか気恥ずかしくて課長もあたしもショッピングセンターに着くまで口を開かなかった。
「おばちゃん来ていいって。ご飯用意して待ってるってさ」
ショッピングセンターに着いてからもなんだか気恥ずかしいまま。おばちゃんに電話してくるという課長を待ってる間、あたしは化粧品売り場で口紅を見ていた。
ポンと肩を叩かれ、振り向くと口紅買うの?と課長が尋ねてくる。課長ならあたしの口紅選んでくれるかな?
「あの、どの色がいいと思います?」
「俺、男だからわかんないって。でもさ、佐伯が決めた色なら似合うと思うよ」
だったらこの真っ赤にしますなんて一本のボルドーの口紅を手に取り軽く冗談を言った。そうじゃなきゃこの真っ赤になった顔がバレる。
課長はこうやってあたしをまた罠にかけるんだ。直接的な言葉より響いてくる魔法の言葉で。