鬼上司?と嘘恋から始めるスイートラブ
冴子さんだけじゃない。お父さんだって本当は冴子さんと再婚したいんだ。それをあたしのために諦めてくれた。
このまま結婚をするというだけの口約束じゃお父さんだって痺れを切らせるかもしれない。課長を待ってなんていられない。
早く籍を入れて課長をあたしのものにしなくちゃ。
「・・・美晴」
震えが止まらず、余計なことばかり考えてなんとか早く結婚をしなきゃいけないと思っていたあたしの思考回路が一瞬でショートした。
あたしの様子がおかしいと感じた課長は車を路肩に停めてそっとあたしの手を握って初めて名前を呼んでくれた。
「今までずっと逃げててごめん。怖かったんだ。言葉にするのが。でも、美晴が不安で静佳に会ったことを聞いて俺もちゃんと美晴に伝えなくちゃいけないって思った。美晴、俺はお前のことが好きだよ」
こんなとこで言うつもりなかったんだけどな。課長が初めて伝えてくれた言葉があまりにも嬉しくてポロポロと涙が零れてきた。
それを優しく指先で拭ってくれるから、あたしはたまらずシートベルトを外し、課長に抱きついた。やっとやっとあたしから触れてもいいんだって。
課長もシートベルトを外してギュッとあたしを抱きしめてくれた。気持ちが通じ合うことは本当に幸せなんだと心から思えた。
それから、一週間後のことだった。二つの出来事が私たちのこれからを大きく左右することになるのは。
このまま結婚をするというだけの口約束じゃお父さんだって痺れを切らせるかもしれない。課長を待ってなんていられない。
早く籍を入れて課長をあたしのものにしなくちゃ。
「・・・美晴」
震えが止まらず、余計なことばかり考えてなんとか早く結婚をしなきゃいけないと思っていたあたしの思考回路が一瞬でショートした。
あたしの様子がおかしいと感じた課長は車を路肩に停めてそっとあたしの手を握って初めて名前を呼んでくれた。
「今までずっと逃げててごめん。怖かったんだ。言葉にするのが。でも、美晴が不安で静佳に会ったことを聞いて俺もちゃんと美晴に伝えなくちゃいけないって思った。美晴、俺はお前のことが好きだよ」
こんなとこで言うつもりなかったんだけどな。課長が初めて伝えてくれた言葉があまりにも嬉しくてポロポロと涙が零れてきた。
それを優しく指先で拭ってくれるから、あたしはたまらずシートベルトを外し、課長に抱きついた。やっとやっとあたしから触れてもいいんだって。
課長もシートベルトを外してギュッとあたしを抱きしめてくれた。気持ちが通じ合うことは本当に幸せなんだと心から思えた。
それから、一週間後のことだった。二つの出来事が私たちのこれからを大きく左右することになるのは。