鬼上司?と嘘恋から始めるスイートラブ
ちょっと来いと営業マンが連れてこられたのは経理課。逃げないように課長が営業マンの手首を掴んでいる。痛いから離せと言うけれどそれを無視する課長。


営業マンめ、私の気持ちが分かったか。


黙って経理課の扉を開けた課長は営業マンを突き飛ばした。そうだ、この人唯野さんのこと突き飛ばしたんだ。あり得ない、最低。課長の後ろから営業マンを睨みつけた。



「言ったよな、俺。可愛い部下に虫が寄って来たら払い落とすって。どうしようか?何度言ってもわからないようだから責任取らせようか?」



「なんでそこまであんたに言われないといけないんだよ。俺はただ・・・」



「自分の彼女に勝手なことばかりされて黙っていられるほど俺はお人好しじゃないんでね。それに俺、強いよ。お前になんてちっとも負ける気がしない」



そっと課長がめがねを外し、胸ポケットに入れる。そして営業マンの胸ぐらを掴んで立たせると彼の体をドンと壁に叩きつけた。



「二度と佐伯美晴に近づくな。俺は権力でも力でもお前をどうにでもすることが出来るんだからな」
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