鬼上司?と嘘恋から始めるスイートラブ
ゴホゴホと噎せる営業マンの胸ぐらからそっと手を離す課長。止めに入ることすら躊躇われるくらいの気迫。ここまで怒る課長は初めて。怒鳴ることが嫌いで怒ることが苦手な課長が、私のためにここまでしてくれた。それがとても嬉しくて仕方なかった。
「本当ならジャブくらい決めてやりたいくらい腹が立ってる。さっさと出ていかないと本気で食らわすぞ」
「・・・くそっ。分かったよ」
「それと営業マンならもう少し、口の利き方を考えろ。いつまでも出世しないぞ、新入社員」
新入社員?!あの営業マン新入社員だったの?出て行く瞬間まで私を見つめる視線を感じたけれど目を逸らした。
「・・・すいません、でした」
彼が経理課を出て行く瞬間ポツリと呟いた。そして、私はやっとホッとしたのか、腰が抜けてしまった。
「・・・美晴」
優しく名前を呼び、コツコツと革靴の音を聞かせながら近づいてきた課長は、しゃがみ込んでギュッと包み込むように私を抱きしめてくれた。
「もう大丈夫だ」
ホッとして涙が溢れた。私はそのまま、背中をポンポンと撫でてくれる課長の、安心できる腕の中で安堵の涙を流し続けた。
「本当ならジャブくらい決めてやりたいくらい腹が立ってる。さっさと出ていかないと本気で食らわすぞ」
「・・・くそっ。分かったよ」
「それと営業マンならもう少し、口の利き方を考えろ。いつまでも出世しないぞ、新入社員」
新入社員?!あの営業マン新入社員だったの?出て行く瞬間まで私を見つめる視線を感じたけれど目を逸らした。
「・・・すいません、でした」
彼が経理課を出て行く瞬間ポツリと呟いた。そして、私はやっとホッとしたのか、腰が抜けてしまった。
「・・・美晴」
優しく名前を呼び、コツコツと革靴の音を聞かせながら近づいてきた課長は、しゃがみ込んでギュッと包み込むように私を抱きしめてくれた。
「もう大丈夫だ」
ホッとして涙が溢れた。私はそのまま、背中をポンポンと撫でてくれる課長の、安心できる腕の中で安堵の涙を流し続けた。