鬼上司？と嘘恋から始めるスイートラブ
「やめてください。こんなの辛すぎる。私たちは義理の兄妹になるんですよ！」

我に返り、課長の胸を押した。ひどいこんなキス。私がどんな気持ちでいると思っているの。忘れようと、諦めようとしているのにそれを全部出来ないようにするくらいの熱いキスなんていらない。

「美晴、俺はお前に謝らなくてはいけないことがある。俺は、お前に嘘をつき続けていることがあるんだ。もちろん、お前はその嘘を許してくれないかもしれない。でも、それでももし、許してもらえるのなら結婚してほしいんだ」

「嘘？」

「そう。でも会社で話すことではないから今からうちに来ないか？冴子にはお前の家に行ってもらうから」

課長のつき続けた嘘が何かはわからない。でも、それを聞いても許せるのなら結婚してほしいという言葉は、琴美の言ってくれたみんなが幸せになる方法に繋がるものなのかもしれない。

本当にそんな方法があるのなら教えてほしい。課長も、お父さんも、冴子さんも、そして私も四人全員が幸せになれる方法があるのなら、それが知りたい。

「わかりました。聞かせてください」


そう言った私に、課長は覚悟を決めたように「ありがとう」と告げた。
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