鬼上司?と嘘恋から始めるスイートラブ
戦い前夜の二人の決意
「さあ、戦いに行こうか?」
課長の提案を受けた私。お父さんと冴子さんは、すぐに首を縦に振ってくれるとは限らない。だけど、これが一番望む最高の答えだと思うから、戦うことに決めた。大げんかを覚悟で。きっと二人なら大丈夫。
十一月半ばにもなると、風がとても冷たい。いつもは手を擦り合わせて、息を吹きかけるけれど、今日は温かい手が包んでくれていた。
エレベーターの前で繋がれた右手。誰かに見られたらと離そうとしたけれど、課長はそれを許してはくれない。
「離したくないし、見られても構わないから」
いつもより、少しだけ強張った表情。課長はもしかして、不安なのかもしれない。それが伝わってきたし、私も離したくない。
「課長、私、琴美を怒らせてしまったんです。でも、言われました。私は、みんなが幸せになれる方法を知っていると。課長ももしかして、それを知っているんですか?」
帰り道、そっとそう尋ねると課長は答える代わりに笑顔を向けてくれた。やっぱりそうなんだ。
それを教えてくれるのなら課長のついた嘘は返って良かったのかもしれない。そう思えて心が少しだけ踊った。真実を知るまでは。
課長の提案を受けた私。お父さんと冴子さんは、すぐに首を縦に振ってくれるとは限らない。だけど、これが一番望む最高の答えだと思うから、戦うことに決めた。大げんかを覚悟で。きっと二人なら大丈夫。
十一月半ばにもなると、風がとても冷たい。いつもは手を擦り合わせて、息を吹きかけるけれど、今日は温かい手が包んでくれていた。
エレベーターの前で繋がれた右手。誰かに見られたらと離そうとしたけれど、課長はそれを許してはくれない。
「離したくないし、見られても構わないから」
いつもより、少しだけ強張った表情。課長はもしかして、不安なのかもしれない。それが伝わってきたし、私も離したくない。
「課長、私、琴美を怒らせてしまったんです。でも、言われました。私は、みんなが幸せになれる方法を知っていると。課長ももしかして、それを知っているんですか?」
帰り道、そっとそう尋ねると課長は答える代わりに笑顔を向けてくれた。やっぱりそうなんだ。
それを教えてくれるのなら課長のついた嘘は返って良かったのかもしれない。そう思えて心が少しだけ踊った。真実を知るまでは。