鬼上司?と嘘恋から始めるスイートラブ
「こらっ、こっち見るなこっ恥ずかしいこと言わされてんだから俺の顔見るの禁止。ちゃんと最後まで話すから振り向かないこと。美晴は覚えてるかな?3ヶ月のときに美晴をすごく怒鳴りつけたこと」
「・・・はい」
忘れもしないあれは入社して三ヶ月のとき。元々望んでいなかった経理課に配属された私。嫌々ながらも仕事を覚えることに必死になる日々。
そして、なんとかそろそろ一人前の仕事を出来るようになったとタカを括っていた日のことだった。
「この財務処理したのは誰だ!」
初めて課長から大目玉を食らった。初歩的なミスだったものの大損害になるくらいのミス。そんなミスを犯してしまった。そして、課長に呼び出され、怒鳴られ、本当に辛かった。
ただ、ここで辞めるわけにはいかないと歯を食いしばったことは忘れない。まさか、課長もそれを覚えていたなんて。
「正直、あのときには、美晴のことをまた辞めて行くなとしか思ってなかった。希望をうちに出してなかったことも聞いてたし、やる気がないならって若干八つ当たりみたいに怒鳴りつけてた。ごめんな。でもさ、あの後一瞬だけ振り向いて俺を見ただろ?」
「そ、そうでしたっけ?」
「そう。まるで負けるもんかみたいな挑発するような瞳でさ。でも、実はそれにやられたんだよな、俺。なんていうか今まではどうせすぐ辞めるか異動するやつとしてしか見てなかったのに初めてその日、佐伯美晴をちゃんと見た。それからは戸惑いばかりだったよ。気づけば美晴のことばかり見てた。唯野さんにはすぐに気づかれるし、美晴には嫌われていくばっかだったけどな」
「・・・はい」
忘れもしないあれは入社して三ヶ月のとき。元々望んでいなかった経理課に配属された私。嫌々ながらも仕事を覚えることに必死になる日々。
そして、なんとかそろそろ一人前の仕事を出来るようになったとタカを括っていた日のことだった。
「この財務処理したのは誰だ!」
初めて課長から大目玉を食らった。初歩的なミスだったものの大損害になるくらいのミス。そんなミスを犯してしまった。そして、課長に呼び出され、怒鳴られ、本当に辛かった。
ただ、ここで辞めるわけにはいかないと歯を食いしばったことは忘れない。まさか、課長もそれを覚えていたなんて。
「正直、あのときには、美晴のことをまた辞めて行くなとしか思ってなかった。希望をうちに出してなかったことも聞いてたし、やる気がないならって若干八つ当たりみたいに怒鳴りつけてた。ごめんな。でもさ、あの後一瞬だけ振り向いて俺を見ただろ?」
「そ、そうでしたっけ?」
「そう。まるで負けるもんかみたいな挑発するような瞳でさ。でも、実はそれにやられたんだよな、俺。なんていうか今まではどうせすぐ辞めるか異動するやつとしてしか見てなかったのに初めてその日、佐伯美晴をちゃんと見た。それからは戸惑いばかりだったよ。気づけば美晴のことばかり見てた。唯野さんにはすぐに気づかれるし、美晴には嫌われていくばっかだったけどな」