鬼上司?と嘘恋から始めるスイートラブ
真っ白なチャペルの扉、白いタキシード姿のお父さんと腕を組む。お母さん、見てる?私、今日大好きな人と結婚式を挙げるよ。

オルガンの音が鳴り響き、ゆっくりと扉が開かれる。先に進むように促され、ゆっくり、ゆっくりと一歩ずつ、花婿姿のお父さんと歩くバージンロード。

お父さん、一人で私を育てるのは大変だったよね?私は、お父さんに苦労だけはかけたくなかったからいい子でいたつもりだったけれど、最後はとんだワガママを言ってしまったね。

それでも、お父さんが美晴の幸せがお父さんの幸せだと言ってくれて本当に嬉しかった。

私ね、何度も何度も言うよ。お父さんとお母さんの娘に生まれてきて本当によかった。お父さんとお母さんは本当に私の理想。だから私はそんな二人に悠貴さんとなりたいと思うし、お父さんにもまた、お義母さんとそんな二人になってもらいたい。


五歳の時に描いた私の絵は、お父さんとお母さんと手を繋ぐ三人の絵。

私は、真ん中で二人に挟まれている。幸せそうなキラキラした笑顔。そして、後ろにはたくさんの動物たち。

五歳のときの、私の幸せな姿。


そんな絵を描いてくれるような素敵な子どもを産んで、子どもに「理想の夫婦」だと言ってもらえるような二人に必ずなるからね、お父さん。

「お父さん、幸せになってください」
< 265 / 266 >

この作品をシェア

pagetop