鬼上司？と嘘恋から始めるスイートラブ

「ちょっと美晴ちゃん。聞いたわよ。課長のこと、目で追っているみたいね」




今日は琴美が同じ部署の人たちとお昼に行くからと言うので、久しぶりに自分の席で食べていた。

今日の献立は、一昨日、テレビで鶏肉とじゃがいもの甘辛炒めがメイン。なかなか美味しくできた。後は、ひじきや卵焼き。


そういえば、課長はいつもお昼、どうしてるんだろう？そんなことを思いながら、お弁当を食べていると、唯野さんと仲良しの比嘉さんが、二人、お弁当をぶら下げて、私の隣とその隣に座った。


もう、情報が行き渡っている。恥ずかしいな。

「ごめんなさいね、なんたって美晴ちゃんの初ロマンスで、尚且つ相手が、課長なんだもの。つい、話しちゃったわよ」

「ロ、ロマンス？！と、とんでもないです。ただ、課長も怒鳴るだけの怖い人ではないんだなって思っただけですよ」

「またまたー。いいのよ、おばちゃんたちはちゃんと分かってるの。あら、この煮物美味しい。うちで作るより美味しいかもしれないわ」

「えっ？本当に？あら、美味しい」


話しながらも、食べ進める比嘉さんとそれに同調する唯野さん。二人は本当に仲良しだなと思いながら、私も箸を進めた。