鬼上司？と嘘恋から始めるスイートラブ
視線が一気に私へと降り注ぐ。仕事での不満？改善？それは私が、改善しなければいけないことのはず。

ミスが多いのはもういい加減、やめなきゃいけない。分かってる。だけど、どうしても計算が苦手で忙しく時にはチェックを怠って課長まで回って怒鳴られる。

人手不足のところに入れられて就きたくもない課で、毎日頑張っているのに頭ごなしに怒鳴りつけられてやりがいが感じられない。それが今までの私だった。


「あの、ミ、ミスが多くて迷惑をかけてすみません。こ、これからは気をつけます」

視線に耐えきれず、紡ぎ出した謝罪の言葉。課長に迷惑を掛けないように、少しでも見直してもらえるように仕事を頑張る。それをやりがいにこれからはしたい。


「こらこら謝るな。最近頑張っているじゃないか。今週なんてミスなかったしな。俺はさ、佐伯がもっと仕事を好きになる意欲みたいなものが何かないかなと思って聞きたかったんだ」



「あーもう！課長。堅いですよ。美晴ちゃん萎縮してるじゃないですか。あっ、料理も来たし食べましょう。ここのだし巻きとトリマヨが美味しいのよ」


テーブルに並ぶたくさんの料理。オススメのだし巻きとトリマヨや私が気になっていた揚げ出し豆腐なんかもどんどんと運ばれてきた。とりあえず、話は中断して食べることにしたけれど、萎縮したように思われたかな。


そんなつもりなかったんだけれどなんだか課長のことを意識し始めてから自分がどんどん何も出来なくなってる気がする。
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