鬼上司?と嘘恋から始めるスイートラブ
「じゃあ気をつけて、行ってらっしゃい」
土曜日、朝早くお父さんと冴子さんは出かけて行った。二人を見送った後、まだ時間があるからと課長に誘われ近くの喫茶店にモーニングを食べに行くことになった。
喫茶店でモーニングを注文するも、目の前の課長の視線は携帯に注がれたまま。誰かとメールしてるのかな。気になるけれど聞けず、チラチラと見てしまう。
「あっ、ごめん。ちょっとこのステージに必死になってた」
ステージ?何度か瞬きを繰り返すと課長が少し照れ臭そうに口を開いた。
「俺さ、携帯ゲームすごい好きなんだ。それに少年マンガも今だって読んでる。『課長』なんて言われてるけれど実は仕事離れたら全然、大人じゃないんだよな」
イメージ違うだろ?と私を見る顔は少し赤い。確かに鬼上司のイメージとはかけ離れ過ぎてる。でも、私が知ってる可愛いイメージとはピッタリで思わず頬が緩む。
「役職ついてるし、仕事ではそんな素振り見せないようにしてるけど実際の俺は思い描いていた三十歳でもなんでもないんだよな」
「思い描いていた三十歳?」
「そう。学生の頃は三十歳ってすごい大人に思えてさ、スーツをばっちり着こなしてかっこいいなとか思った。でも、実際、自分がなってみると全然大人じゃないっていうか」
確かに照れ臭そうに言いつつも、時折ゲーム画面に目を奪われる姿は、少年みたいに見える。ジッと見ていた私の視線に気がついて、課長は話を続けた。
土曜日、朝早くお父さんと冴子さんは出かけて行った。二人を見送った後、まだ時間があるからと課長に誘われ近くの喫茶店にモーニングを食べに行くことになった。
喫茶店でモーニングを注文するも、目の前の課長の視線は携帯に注がれたまま。誰かとメールしてるのかな。気になるけれど聞けず、チラチラと見てしまう。
「あっ、ごめん。ちょっとこのステージに必死になってた」
ステージ?何度か瞬きを繰り返すと課長が少し照れ臭そうに口を開いた。
「俺さ、携帯ゲームすごい好きなんだ。それに少年マンガも今だって読んでる。『課長』なんて言われてるけれど実は仕事離れたら全然、大人じゃないんだよな」
イメージ違うだろ?と私を見る顔は少し赤い。確かに鬼上司のイメージとはかけ離れ過ぎてる。でも、私が知ってる可愛いイメージとはピッタリで思わず頬が緩む。
「役職ついてるし、仕事ではそんな素振り見せないようにしてるけど実際の俺は思い描いていた三十歳でもなんでもないんだよな」
「思い描いていた三十歳?」
「そう。学生の頃は三十歳ってすごい大人に思えてさ、スーツをばっちり着こなしてかっこいいなとか思った。でも、実際、自分がなってみると全然大人じゃないっていうか」
確かに照れ臭そうに言いつつも、時折ゲーム画面に目を奪われる姿は、少年みたいに見える。ジッと見ていた私の視線に気がついて、課長は話を続けた。