恋しくて、哀しくて
⑤
『水曜日の11時、駅のベーカリーでお待ちしています』
ずいぶんと自分勝手だな…と思いながら、待ち合わせ時間にベーカリーへと向かった。
ベーカリー内には飲食スペースがあった。奥の席に彼は座っていた。私は、人目を気にしつつ、ニット帽を深めにかぶり、マフラーで口を覆うようにして、彼に近付いた。
「こんにちは…」
私が小さな声をかけると彼は満面の笑みを浮かべた。
とても人を騙せるような感じではなかった。
ずいぶんと自分勝手だな…と思いながら、待ち合わせ時間にベーカリーへと向かった。
ベーカリー内には飲食スペースがあった。奥の席に彼は座っていた。私は、人目を気にしつつ、ニット帽を深めにかぶり、マフラーで口を覆うようにして、彼に近付いた。
「こんにちは…」
私が小さな声をかけると彼は満面の笑みを浮かべた。
とても人を騙せるような感じではなかった。