恋しくて、哀しくて
「年上の既婚者よりも、あなたに似合う素敵な誰かが、現れると思いますよ」



そう言って、席を立とうとした私に、彼は小さく「待って」と言った。



「僕は、伊勢美咲さんが好きです…」



鋭い視線が、私をとらえた。



「そ、それはどうも…」


『好き』と言われて悪い気はしない。しかも10歳も年下の、かわいらしい男の子に。



「今日は、それを伝えたかっただけです。ありがとうございました」



そう言って、席を立とうとした彼に、私は小さく『待って』と言った。



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