恋しくて、哀しくて
「…寝ようか…?」



私はコクンと頷き、謙一さんの手を取って、寝室へと向かった。



そっと服を脱がされ、強く抱きしめられる。首筋を優しくなぞられると、目を閉じ、無意識に名前を呟く。



「けー…」



はっ!として、目を開く。目の前で、謙一さんが疑いの目をむけている…ように見える。



「けーくん」



「けーくん?そんな風に呼ばれるトシでもないのに?」



謙一さんは、照れくさそうに笑う。でも、嬉しかったのか、私に優しくキスをくれる。



「美咲、愛してる…」



思わず、ゾクッとする。謙一さんから『愛してる』なんて…。そんな言葉を久しぶりに聞いた。



「なんだか恥ずかしい」


思わず目をそらすと
「美咲」と呼びかけられる。謙一さんに視線を合わせる。



「…今夜は、コレはいらないだろ?」



謙一さんは、私を見つめたまま、床に避妊具を投げ捨てた。



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