恋しくて、哀しくて
②
今日は、とても寒い。朝のニュースによると、夜には、雪がちらつく恐れがあるらしい。
そんな日でも、学はお構いなしに、いつもの場所に向かった。
「今日は寒いから帰ろうよ」
「えーっ、ちょっとだけ見たいー!」
学の『ちょっとだけ』は最低でも30分だ。この寒空で30分は、体の芯から冷え切ってしまう。
「雪が降ってきちゃうよ!ねっ?帰ろ」
「ヤダー!」
ふぅ…やれやれ。少しだけ、付き合うか…。そう思った時だった。
「電車、好きなんやね」
声のするほうに、親子揃って振り向いた。
そんな日でも、学はお構いなしに、いつもの場所に向かった。
「今日は寒いから帰ろうよ」
「えーっ、ちょっとだけ見たいー!」
学の『ちょっとだけ』は最低でも30分だ。この寒空で30分は、体の芯から冷え切ってしまう。
「雪が降ってきちゃうよ!ねっ?帰ろ」
「ヤダー!」
ふぅ…やれやれ。少しだけ、付き合うか…。そう思った時だった。
「電車、好きなんやね」
声のするほうに、親子揃って振り向いた。