恋しくて、哀しくて
⑫
誕生日から一週間ほど過ぎた、ある夜。
「ただいま…」
「あっ!お父さんだ」
学が玄関まで走って、謙一さんを迎えた。
「おかえりなさい」
心なしか、謙一さんの元気が、ない。ふぅ~と、深いため息をついて椅子に座る。
「ごめん」
「どうしたの?何かあったの?」
「急に転勤が決まった」
えっ!?
圭太くんの顔が、脳裏に浮かんだ。
「…どこに?」
「札幌だ」
「…札幌…」
「ただいま…」
「あっ!お父さんだ」
学が玄関まで走って、謙一さんを迎えた。
「おかえりなさい」
心なしか、謙一さんの元気が、ない。ふぅ~と、深いため息をついて椅子に座る。
「ごめん」
「どうしたの?何かあったの?」
「急に転勤が決まった」
えっ!?
圭太くんの顔が、脳裏に浮かんだ。
「…どこに?」
「札幌だ」
「…札幌…」