恋しくて、哀しくて
それからトツキトウカの日々を経て、新しい命が誕生した。
2人目も男の子で『忍』と名付けられた。弟が欲しかった学は、大喜び。私は、無事に生まれたことにほっとしながら眠った。
微睡みの中、謙一さんが「ありがとう」と呟いた気がした。
眠りから覚めると、長い睫毛の忍が、まだ見えない目を見開いた。
「大きな目が、ママ似だね」
産院の助産師さんが笑顔を見せた。私は、その目に釘付けになった。
『元気でな』
忍の大きな目は、しばらくの間忘れていた、あの優しい眼差しを思い出させた…。
(おしまい)
2人目も男の子で『忍』と名付けられた。弟が欲しかった学は、大喜び。私は、無事に生まれたことにほっとしながら眠った。
微睡みの中、謙一さんが「ありがとう」と呟いた気がした。
眠りから覚めると、長い睫毛の忍が、まだ見えない目を見開いた。
「大きな目が、ママ似だね」
産院の助産師さんが笑顔を見せた。私は、その目に釘付けになった。
『元気でな』
忍の大きな目は、しばらくの間忘れていた、あの優しい眼差しを思い出させた…。
(おしまい)