恋しくて、哀しくて
「へぇー。そんなことがあったのか」



夕飯時、夫の謙一が学の話に耳を傾け、相づちを打っていた。



それを聞いて思い出した。そういえば、コートのポケットにゴミをいれたままだった…。



忘れないうちに…と、席を立ち、クローゼットの中の、コートのポケットに手をやった。ゴミ箱に捨てようとした時、何かが書いてあることに気がついた。



くしゃくしゃになった台紙を広げると、そこにはメールアドレスらしきものと



『連絡下さい。松阪圭太』



の文字があった。



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