オタク彼氏に困っています。
「......呼ぶなよ」
目の前にいる上原くんが何か言っている。
無表情だが、その表情には怒りを感じる。
「馴れ馴れしく梨本さんの名前を呼ぶなよ!!離れろ!!」
こんなに怒りをあらわにした上原くんなんてみたことない。
それを見た黒沢くんは一瞬歪んだ笑みを浮かべて、またすぐ爽やかな笑みに戻って言った。
「上原くん、どうしたの?そんなに取り乱して。もう梨本さんのことなんてどうでもいいんでしょ?」