オタク彼氏に困っています。
上原くんはクールな性格で口数も少なく、超近寄りがたい。
私を除いては。
何故か私は入学当初から今日までずっと、唯一上原くんから声をかけられる存在だった。
と言っても、上原くんは声をかけてくるだけで、私たちの会話はほとんど私が話しているだけ。
会話と言うより、私が一方的に話してるって表現した方が正しいかもしれない。
「上原くん、上原くん!!」
「梨本さん?」
やって来たのは図書室。
昼休み、上原くんがここで過ごしているのはうちの高校では余りにも有名な話だ。
相変わらずポーカーフェイスの上原くんはいつも座っている所定の席で黙々と読書中。
コイツ、実行委員忘れてたな?