オタク彼氏に困っています。
『台詞を言う3秒前に360°華麗に回転し、回転後、首を左に30°傾け、最後にスターティアラを前に突き出して、可愛らしく決め台詞を言うんだ。わかった?』
無表情な上原くんの熱い指導の内容を思い出す。
これを完璧に出来るようになるまでかなり苦労した。
上原くん超厳しかったし。
「.......」
集中する私と比例してか、先ほどまで騒がしかったオタクたちも黙り、会場が一気に静まり返る。
よし。
いける。
『最後にこれだけは約束。回転して決め台詞を吐くとこまで全部俺を見てやること。他の男なんか見ちゃダメ。俺だけ見て、俺に言うんだよ』
最後にまた、上原くんの台詞を思い出して、口元が緩む。