オタク彼氏に困っています。
「あのさ、どんなに私に言うこと聞かせても上原くんから私を奪うことなんて絶対無理だからね」
あのあと、あの例の資料室に移動した私と黒沢くん。
私はそこで仁王立ちし、黒沢くんを鼻で笑っていた。
「ああ、大丈夫。今でも十分上原くんの反応見て楽しんでるし、俺が好きなのは無理矢理奪うことだから」
「.....」
どんなに私が強気な発言をしても黒沢くんは爽やかな仮面を被ったまま。
余裕そうに私を見ている。
いや、見下してる。
「さっきも上原くんが梨本さんに俺のところへ行くと断られてどんな顔すんのかな〜って見てたんだよね」
クスクス楽しそうにさっきのことを思い出している様子の黒沢くんの台詞を聞いて一つの謎が解ける。
だからあのタイミングで現れたのか。
初めから私たちのことを見てたんだ。