ケダモノ☆幼馴染み〜約束〜
「くー!」
「待って〜」
ちなみに、晴香とは心友ちゃん。
くーが小6の時にこっちに引っ越してきて
初めて出来たお友達。
それから晴香はくーの心友ちゃん。
あたしはくーの心友兼保護者だね。
なんて、よく笑ってるけど。
あっ、そうだ。
カバンからお気に入りの巾着を出す。
これはお菓子用。
中から小さなチョコレートを取り出す。
「和泉くん!」
「くー。どしたの?」
「これ、お礼だよ。
また助けてもらっちゃったね。
ありがと!」
「そんな、いいのに」
和泉くんはそう言って
いつものように優しく笑った。
この甘い雰囲気にみんな夢中なの。
すごーくモテるんだ。
なのに、女の子の告白は全部断ってる。
ブブブ…
「くーの?ケータイ」
「うんっ、ごめんね」
新しく買い換えたiPhone5S。
晴香とおそろいで作ってもらった
キラキラで、2人の名前が入った
ケースがお気に入り。
「すごいキラキラしてるね。
あ、2人の名前が入ってるんだ?」
「うんっ、可愛いでしょ〜♡」
LINEはママから。
「え〜っ」
「どうかした?くー」
晴香が画面を覗きこむ。
「大事な用があるから今日は
早く帰ってきてね?」
「晴香と遊ぼうと思ったのに〜
ごめんね」
「そんなの仕方ないじゃん!
大事な用って書いてあるし…
また埋め合わせして♪」
「うんっ」