始めての恋は、あなたと。

『こんっの、馬鹿野郎!!!!』

パーンっ!

綺麗な音が出たぞ。
私、上出来。

「いって!なんだよ!」

『はる!お前はあほか!!
由美さんだって、急に帰れ!なんて
言われたら、なんでってなるわ!
理由を言わないとダメだろ理由を。』


「あ、そっか。」


あ、そっか。
じゃねぇし、こいつ。

「な、なんなのよ!」


「俺、お前の事、もう恋愛対象外だし
お前と付き合う気もサラサラないし。
もう出てってくれない?」



こいつ、ズバズバ言うなぁ。


「こんな、ボロアパート
こっちから願い下げよ!さよなら!」


『一昨年出来たばっかりだけどね』

「うるさいわよ!さよなら!
お世話になりました。」


そう言った由美は、お金をおいて

去って行った。


かっこよく。


髪を揺らしながら。



さっきの遥とは、大違いだということ。

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