始めての恋は、あなたと。
ゆっくりと、ゆっくりと
走ることもなく、ゆっくりと歩く。
さりげなく握ってくれる手に
温もりを感じて、ぎゅっと握られては、
握り返す。
『遥は、よく私と
付き合おうと思ったね』
「?なんで?」
『私って、男の子っぽくない?』
「んなことねぇよ」
『やっぱりかー。知ってた。』
ま、嘘だけどーって付け加えて
くすくす笑う
「家に帰ろっか」
いつもは、さみしいと思うけど
今日は、なぜか帰りたいと思った。