始めての恋は、あなたと。
由美は、遥に電話し始めた。
嘘泣きしながら。
「遥くぅん…グスッ嘉穂ちゃんっがぁ
意地悪するぅ…グスッ」
『ちょ、変われ』
「きゃっ!!」
私は急いで携帯をうばいとった。
事情説明するんではなくて
こう発した。
『遥、あと、1万足りたいんだけどさーおばさんに行ったら、うるせぇ!
って言われたから払ってくれない?』
親の収入が遅いし、
何があったのか知らないけど。
〈ごめん…、1万だっけ?
家帰ったら渡すわ…〉
『あ、うん、ごめんねー、はーい
んじゃーねー』
「な、なんで、そんなに金取るのよ!」
『私の家は裕福じゃないわけ。分かる?
親だってどーせ旅行って言ってるけど
仕事関係で行ってるに違いないし。』
「貧乏!!」
『ガキかっ!』
そう言って私は1人で大笑いしてた。