少女の恋
次の日、塾に行ったら隆斗以外のメンバーがそろってた。
「ねぇ、あのさ香織って隆斗のこと好きなんじゃないの?」
「はぁ!?」
「違うのか?」
「違うのかって亮頭でも打ったの?」
「お前のがおかしいだろ。お前どう見たって隆斗のこと好きだろ~。」
「拓哉までどうしたの!?」
「香織~あんたは、絶対に隆斗のことが好きなんだよ!」
「・・・。」
「図星だ~。そうなんでしょ?」
「・・・わかんない。みんなにはそう見えるの?」
「うん!!」
三人で声合わせなくても・・・。
でもやっぱりそうなんだ。
なんとなく自分でも気がついてたのかもしれない。
けど、この関係をずっと続けていたいと思ってたんだと思う。
「ねえ。告んないの?」
「はぁ!?何言ってるの!?言えるわけないじゃん!」
「でも、隆斗があんなに女子としゃべってるの初めて見たぞ。」
「だとしても無理。」
「おはよ~!!なんだ~みんなで何しゃべってんだ~??」
と言って隆斗が入って来た。
「きゃあああああ!!」
「何叫んでんだよ。俺今日は何もしてないぞ!!」
昨日亮に殴られたから、いつも以上にビビる隆斗。
「いきなりも何も、ちゃんとおはよーって言っただろ」
沙織たちに自分の気持ちを気付かされたから、まともに目を見てしゃべれない!
「お~いオレの話聞いてるか?」
「きいてるよ・・・。」
「ホントか・・・?」
「しつこい」
「おいおいそんな睨むなよwww」
「にらんでないし。勉強する。」
「?なんか今日元気ねーなー?おーい沙織―こいつどうしたの?」
「隆斗は気にしなくていいんだよ~www」
「え~何だよそれー拓哉と亮は知ってんのか?」
「隆斗は気にすんな。」
「バカ隆斗wwww」
「おい拓哉!バカは余計だバカは!なんだよ俺だけ仲間はずれかよ~」
「もうみんな静かにして!私は勉強してるの!!」
「怒られちまったじゃん!」
私は勉強するとか言いながらずっと隆斗のことを考えてた。
私はきっと隆斗のことが好きなんだ。
けど・・・・。
絶対に無理な気がする・・・。
あ~もう!!!!!
とかいろいろ考えてるうちにもう夜になってた。
「もー勉強したくねー!!!」
と隆斗がいきなり叫んだ。
「そうだね~。香織―まだべんきょうしてるの~」
「してない。疲れた。」
「亮と拓哉は~?」
「してなーい。亮は2時間前から寝てる~]
「じゃあさ,星みに行こうぜ!この前カシオペヤ座習っただろ?あれ見に行こうぜ!!」
「まぁー暇だしいこっか。香織―いいよね?」
「いいよー」
こうしてみんなで星を見に行くことになった。
「星みに行くってどこにいくんだよ。」
寝起きでキレ気味の亮。・・・この人キレるとホント怖い・・・。
「小学校に行こうぜ!拓哉!お前チャリ持ってきてるよな?亮も持ってきてるから、女子後ろに乗せてこうぜ」
「・・・・。わかった。」
「香織~絶対隆斗の後ろ乗りなよ!拓哉―!私拓哉の後ろ乗るねー!」
「おー」
無理だって!!!!!!!
沙織無理だよ!!!!!!!!
その時
「香織オレの後ろ乗る?」
「え?いいの??」
「だって今亮の機嫌悪いから乗るのこえーだろ?」
「そうだけど・・・。」
「じゃーはやく乗れ。」
「うん。ありがと」
「肩掴まれよ。」
ヤバい!心臓の音聞こえてないよね!?
そんなことを心配してたら、隆斗はいきなり早くこぎはじめた。
「キャー――!!早い!!落ちる!!怖い!!!」
「うるせーなー。これくらいフツーだから。いちいちビビんな。」
「怖いものは怖いの!!」
ガタン!!自転車が段差の上を通った。
「いったい!!おしり痛い!!」
「あー。ゴメン。次段差あるときいうから、そんとき立って。」
「ありがと」
いつも意地悪なくせにこういうときだけ優しくなるとかホントに隆斗は意地悪だ。
でも私はきっと、こんな隆斗のことが好きなんだと思う。
私は、ゆうきをだして聞いてみることにした。
「あのさ、隆斗って好きな人いるの?」
「あ?あー。まぁそりゃいるよ。」
あ・・・。いるんだ・・・。
これ以上聞きたくないはずなのに、心のどこかに期待してる私がいて、思わず聞いてしまった。
「だれー?」
「いうわけねーだろ」
「ケチー。いいじゃん教えてよー」
「やだ」
「教えてくれないならこうしてやる!」
と言って私は隆斗の脇をつつき始めた
「ちょっと!!マジやめろ!落ちるぞ!!」
「じゃー教えてー」
「わかったから!もう脇触んな!!」
「はーい。で、誰なの??」
「・・・。絶対誰にも言うなよ?」
「うん!!!」
「3組のななか。」
「・・・・へ~。そうなんだ~。そういえば1年の時同じクラスだったよね?その時から??」
「いや、小5の時から同じクラスだったし多分その時から。」
「なが!!めっちゃ一途だね。」
「アハハ。だろ。」
「応援する。がんばって!!」
「ありがと」
あー・・・・。聞かなきゃよかった。5年間も好きとかヤバすぎでしょ・・・。
私絶対に無理じゃん。失恋した・・・。
「お前はいないの?」
「へ?」
「だから!お前はいないのかよ?」
「いない。」
「嘘だな」
「うそじゃないですー」
「じゃあ当てる!」
あてるも何も・・・・。隆斗なんだから絶対に当たるわけないじゃん・・・。
そして隆斗はクラスの男子の名前を順に言っていった。
「全員違うっていうなよ!!」
「ふつーソウダヨなんて言わないからね!?」
「お前だけオレの知ってるなんてせこいぞ。いい加減教えろ!」
「絶対に教えません!!」
それからずっと隆斗はケチーと言い続けていたのに、急に黙って低い声で言った。
「・・・・・亮だろ?」
「は?なんで亮が出てくるの?」
「違うのか?」
「亮は大切な友達だよ」
「ふーん」
「ホントに違うからね?」
「あ!!小学校ついたぞ!!」
この人ちゃんと私の話聞いてた・・・?
沙織が遠くから私たちの声をかけてきた。
「かおりー!!りゅうとー!!おそーい!!」
「ゴメーン!隆斗!早くいこ!」
「人使いあれーなー」
「いいから早く行こう!!」
「はいはい。」
そしてみんなで草の上に寝転がって星を見た。
とてもきれいで、私のことを慰めているようだった。
「ヤベー・・・。手凍ったかも・・・。」
「うわ!亮手真っ赤じゃん!!」
「触ってみる?」
「うん!つめたー!!!」
「だろ。さっき隆斗と何しゃべってきたんだ?」
「んー?まぁ・・・失恋した・・・。」
「?告ったのか?」
「告ってはないけど、好きな人聞いた。」
「そうか・・・。そんな落ち込むな。大丈夫だから。」
と言って亮は私の頭の上に手を置いてくれた。
「さみーしもう帰るか?」
「うん・・・・。」
「お前ら帰るぞー!」
「えーもう帰るのかよー!!」
「俺は拓哉みたいにバカじゃねぇから風邪ひくんだよ。」
「俺はバカじゃねぇ!!」
「いいから帰るぞバカ」
「たくやーまた後ろ乗せてー。」
「またかよー!!」
「いいから♪」
私どうしよう・・・。
一人でふらふらしていると後ろから
「香織―早く乗れ」
と言って隆斗が言ってきてくれた。
すっごくうれしかった。
「ありがとう」
乗ったはいいけれど、ここに乗らなきゃいけないのは、わたしじゃないんだなと考え込んでしまって結局帰りは隆斗と話すことはなかった・・・。
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