猿女の恋愛事情
「あの葛城恋歌さん…ですよね?」
望は生徒会活動で明らかに昼休みぼっちになっていた私に声をかけたのは、大きな双眸に綺麗で白い肌。茶色味がかった髪をふわっとみつ編みにした少女。
この子みたことあるよ私。男子が見かけるだけでかわいいって言ってたしめちゃめちゃ覚えあるよ!!!
ていうか近くで見るとなまらかわいいな!!!(謎の北海道弁)
「あの…葛城恋歌さん…?きいて、ますか?」
「あっはいはいはい!!なんだいかわい子ちゃん?」
彼女は、かわい子ちゃんっ!?と驚いた顔をするとこう続けた。
「まだ、名前知らないんですね。1年の建部優実(タテベ ユウミ)です。実は今日は恋歌さんに頼みごとがあってっ。」
かわい子ちゃんこと優実ちゃんの頼みごとを聴くなんてお安いご用だ!!!
「もちろん聞くよ?どしたの?」
「あの、ですね。私理人くんが好きなんです。入学した時からずっと。」
白い顔を真っ赤に染めながらそう言う優実ちゃんは、可愛らしくて、恋する乙女だ。なんて思った。
でも思うところはあって。
「理人って、かなりタラしだけど…大丈夫?」
これが心配なところ。純粋な彼女を理人に任せるのは幼馴染としてちょっとな…。
「あ、いいんです。私一番になれなくても。いいんです!ただ少しでも理人くんに近付きたくて、恋歌さんに相談したんです。」
そう言ってへへへと笑う彼女は純粋で、理人を好きだなんてもったいない。と思った。