猿女の恋愛事情
*理人side
ピローン♪
初期設定のままの無機質な着信音が教室に響き眠っていた俺を起こす。
昼休みぼっちで寝ていた俺を起こすとはどこのどいつだクソ野郎。
携帯に表示されていたのは
「葛城恋歌」
嫌でも自分の顔が緩むのがわかった。
なんだろーなと開くとそこに書いてあったのはこんな内容
「放課後屋上で待ってて。きっと行けばわかるから。」
意味深なメール。でも俺にはこれの意味がよーくわかる。
告白だ。
何度経験したと思ってんだよ俺だぞ?男みてえな恋歌にしてはわかりやすいやり方だな。と笑みがこぼれる。
「はあーどんな顔で待ってろっていうんだよ。数年越しの恋が叶うっていう瞬間をさ。」
俺は完全に浮かれていた。
何せ小3の時から
こんな男みてえな猿みてえな可愛くねえやつに
らしくない片思いをしていたんだから。