白雪王子様。
それから二時間、私は何もしゃべらずじっと白井さんの作業を見ていた。
もう足が限界なんですけど…
「あ、あの白井さん」
「ん?」
「か、帰ってもいいですか?」
「あと少しまて」
「は、はぁ…」
あと少しって…あと何時間待たせる気よ…。
この人何考えてるか全然わからないし。
感情がはっきりしない人だよなぁ
「おい、山田」
「はい!!」
「はい」
「え?」
私の前に差し出されたのは原稿用紙。
「え、まさか…あの短時間で!?」
「この前の続きだ」
「え、あ……はい」
「もう、帰っていいよ」
「あ、はい!」
原稿用紙を鞄に詰め込み急いで白井さんの家を出た。
私、明日も呼び出しかな…
そんな事を思いながら会社へと戻るのだった。