白雪王子様。
さん。


電車内は思ったより混雑していた。
隣の人との間はわずかこぶし一つ分ほど。

うわっ…ちょうどラッシュ時に来たのかな?

こんなに混雑した電車に乗ったのは何年ぶりだろう…
たしか入社前?

そんな事を考えながら座席の隣についている手すりに摑まる。
隣にいる白井さんはこれまたダルそうな顔をしながら外を眺めていた。

こうやってまじかで見ると白井さんって結構背が高いんだな…
ハイヒールを履いてる私でも白井さんの肩ぐらいだし…。
179ぐらい?いや……176??

「何」
「え?」
「何か話したい事あんの?」
「い、いえ…」
「だったら必要以上に人の顔をジロジロ見るな」
「す、スミマセン」

私、無意識のうちに白井さんの顔見てたんだ…。
そう思うとなんだか恥ずかしくなってうつむいてしまった。


『次は~、○○駅~○○駅でございまーす。お忘れ物のないよう…』


電車内に女の人のアナウンスが流れる。
そして新しく乗車してくる。


「……多いな」
「そ、そうですね…」

さっきより白井さんに近づいたような気が…
てか、あと1ミリで白井さんの胸板に………



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